テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-41
#41電気自動車(EV : Electric Vehicle)×テクノロジー=EVテック(EV Tech)①自動車産業の未来と日本の不可解な遅れ

コラムアーカイブ

2020年11月7日

新たな未来のカギを握る「シェアリング・エコノミー」

11月1日、「大阪都構想」は住民投票の民意により否決されました。

生まれた時から大阪市民として暮らし、大阪市に愛着のある私にとって大変喜ばしいことです。とはいえ、今のままの暮らしがベストだと思ってる訳ではありません。

そこで、これを機に大阪市民の皆さんが、もちろん市民じゃない皆さんも含めて、今以上により良い生活をするための私なりのアイデアをいろいろと提案したいと思います。

そしてその第一弾が、シリコンバレーを起点にグローバルに成長して来た『シェアリング・エコノミー』です。

皆さんは、『シェアリング・エコノミー』って聞かれたことはありますか?

言葉で聞くと分かりにくいかもしれませんが、内容は既に生活の中に馴染んでいます。

何らかの理由で使用や稼働を休止させている遊休資産(個人のスキルのような無形のものも含む)の貸し出しを仲介するサービスのことをいいます。

そしてそのシェアリングの対象となるのは「宿泊施設」「自動車」「金融」「人材」「音楽・動画の配信」の5分野で、その仲介をするのが、スマホやパソコンなどを活用したソーシャルメディアです。またネットワークの拡充により情報交換だけでなく、コミュニティの機能もあり無限の可能性を持つようになりました。かつてご近所や親族の物々交換から始まったこの文化は現在「シェアリング・エコノミー」として輪が広がっています。

ここで、4つのシエアビジネスの例をご紹介しましょう。

① 【宿泊施設】京都金閣寺近くの民泊

シエアビジネスは、2008年このAirbnbから始まりました。その世界の旅行シーンを変えた宿泊施設のプラットフォームは、190ヶ国100万超えの宿が登録されています。そして、関西でお薦めは、金閣寺近くの民泊は世界中のお客様、特にアジアからが多いようです。Airbnbはインターネットがなければ使えません。

② 【シェア自転車】神戸元町駅前のシエア自転車 

神戸元町駅前シエア自転車が数年前からスタート。最近は淀屋橋等のオフィス街で見かけられるようになりました。筆者はNY、オランダ、フランス、ハワイ、カリフォルニアでの利用体験をしました。また訪ねた事はないですが、中国が最先端で広く普及しています。スマホで空き情報や支払いまで即時終了。スマホがなければ普及しないモデルです。

③ 【シェア・カー】タイムズカーシエアが代表例ですね。

Uber配車サービスは、日本ではウーバータクシーとして展開しています。筆者は発祥の地シリコンバレーとNY、ハワイ、ベトナム、フィリピンでの利用体験をしましたが、もうなくてはならない存在となっています。

④ 【子育てシェア】生駒市は、アズママとの子育て支援連携は全国初!

全国で地域の育児環境をサポートする横浜市本社の「アズママ」は、子育てを助け合う人材のシェアリングを展開しています。そして2016年から生駒市では事業提携を行い女性の就業促進などにも繋げています。

また海外では、『シエアシティ』という考え方があり、代表格は、オランダ・アムステルダムで、2015年シエアリングシティ宣言をしていますが、その地域のさまざまな暮らしを豊かにサポートするための『シェアリング・エコノミー』を行っています。

そして、子育てだけではなく、介護や教育などのさまざまな人材支援を行う街があるのが理想です。

そして、このシエアビジネスの拡大には必要不可欠となるのがデジタル・テクノロジーです。私が勤める富士通と富士通研究所も、『シェアリング・エコノミー』のように生活をより豊かにするために必要なブロックチェーン技術等に注力しています。

『Share City with DX』と書いたら難しいですが、

シェアリング大阪弁で翻訳したら

ええもんを、みんなで安く、要る時に融通して、

そして、うまいもんを、みんなで安く楽しく、食べよか。

です。

都構想だけが街づくりではありません。
ちょっぴり飽きっぽい大阪市民の皆さんのために、
飽きないで得する新しい変革を提案していきたいと思います。

世界経済の未来の扉を開く電気自動車(EV)

今回から4回に渡り「電気自動車」の未来テクノロジーについてお話したいと思います。

この販売市場が大きく移り変わり始めた「電気自動車」を考えるということは、地球環境の配慮というトレンドだけではなく、世界経済において最大市場の約400兆円と言われる自動車産業にとっても、大きく未来を左右するテーマです。

つまり、この電気自動車のテクノロジー【EVテック】にどう対処するかが、私たちの生活にも影響するだけでなく、世界経済や地球の未来にまで繋がる今最も重要なテーマです。

さて、そんな中、自動車産業最大規模となる中国政府が、2035年をめどに全ての新車販売を環境対応車にする方針だと10月27日、突然発表しました。

つまり15年後には、新車として販売するクルマの50%を電気自動車(EV)に、そして残りの50%は、ガソリン車の製造販売を全て廃止し、ハイブリッド車(HV)にするという決断です。

とはいえ、2019年の段階で中国の電気自動車(EV)の新車に占める比率は5%、これを35年までに、50%まで引き上げるという数値は、民間主導では到底不可能な中国という国でしか出来ない大英断です。

しかし、世界最大となる中国市場の方向転換がこのまま進めば、世界の自動車産業にとって、

急速な対応を迫られた緊急事態といえるでしょう。

その一ヶ月前の9月、トヨタ自動車は、北京国際自動車ショーで、中国市場でのハイブリット車(HV)の累計販売数が100万台を超えたと発表し、日本のハイブリッド車の強さに、日本のマスコミ各社も、現状、この方向転換に関してとても有利だと報道されました。

また、昨日もトヨタ自動車は中間決算の発表に合わせて今年度の最終利益を1兆4200億円に上方修正し、自動車産業の好調さをアピールされました。

しかし、果たしてそうなのでしょうか?安心して大丈夫なのでしょうか??

海外の電気自動車の専門誌には、日本の自動車産業の現状に対して、特にこの【電気自動車】に関して「ガッカリだ!」と手厳しい評価がくだされ、既に『時代遅れ』を通り越し、『不可解』という表現で、世界をリードする日本の大手メーカーの世界トレンドの乗り遅れを指摘しています。

確かに世界の自動車産業のトップを走るヨーロッパでは、遅くとも20年以内にガソリン車の販売禁止が決定し、アメリカのカリフォルニア州でも2030年までにガソリン車の販売禁止が決定するなど、世界が電気自動車(EV)へシフトする中、日本のメーカーは大きく乗り遅れ、それでもイメージ戦略とまでは言いませんが、一部の環境メリットを強調した広報戦略が際立ち、実際には環境対応していない現状を隠し、少しでも現状が長く続けばいいという、未来を見据えない経営に感じてしまいます。そして何よりも、私たち消費者が、世界トレンドに最も日本が遅れている真実を知らないということです。

ヨーロッパの自動車市場では、電気自動車(EV)が占める割合が約8%に対し、日本の市場は、わずか約0.7%です。この遅れは、消費者だけの責任ではなくメーカー各社の責任もあるのではと思います。

もちろん様々な要因もありました。この分野で最もリードしていたのは、日産自動車でした。

しかし、カルロス・ゴーンの事件があり経営に大きなダメージがあったのも事実です。

とはいえ、ハイブリッド車(HV)が好調なら問題ないのでは?と、思われるかもしれませんが、それは違います。

2035年に50%ということは、2050年にガソリン車は世界基準でゼロになるかもしれないということです。

2018年に経済産業省と自動車メーカーが共同で公表した2030年の目標では、30~50%はガソリン車のままです。

そして、10月26日、菅首相の就任後初の所信表明演説で『温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロ』にすると表明しました。

その1か月前、中国の習近平国家主席は、2060年にCO2の排出量をゼロにすると発表しています。

そして両国とも自動車産業の行く末がこの発表に大きく影響します。

果たして【カーボンニュートラル】という未来は実現するのでしょうか?

テック産業アナリスト のと裕行でした。
ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました