政治(Politics)×テクノロジー(Technology)
=政治見える化テクノロジー(Political-Tech) 2
テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-95

コラム

~政治の見える化(デジタル化)と若年層化について ~

 厚生労働省のホームページで偶然みつけました。
「水道の水質基準等の改正方針案で農薬類の目標値等の見直しを行い、令和4年4月1日から適用する。」
4月1日から私達が一日に飲む水に含まれる、いくつかの農薬の目標値が引き下げられました。(規制緩和)
その中で特に気になったのは、現行目標値(mg/L) 0.003から新目標値(mg/L) 0.005に 3分の2引き下げられた
ホスチアゼート (有機リン系農薬)です。

 海外では反対に、この『有機リン系農薬』の使用を禁じたり、規制を厳しくしたりしています。
非常に毒性が強く、神経系に作用し、量が多くなると死に至ります。発達障害の原因でもあり、この『有機リン系農薬』の規制緩和をしている国は、日本だけかも知れません。

 この農薬の規制が3分の2引き下げられた事により、私達にどのような影響があるのか、私にはわかりませんが、
「国民が知らないうちにこのような法案が通っていること」に大きな問題がある、と思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?
 そして、この問題解決には、【政治の見える化(デジタル化)・透明化】が不可欠だと思うのです。

 今、ゆっくりのデジタル化が進む、先日盛り上がりました選挙の投票に目を向けてみましょう。
 まず世界の投票率と取り組みに目を向けてみます。
数年前、国際的な研究機関である民主主義・選挙支援国際研究所が、世界各国の議会選挙の投票率をランキングしたところ、200弱の国と地域の中で、日本は140位前後という結果でした。

 その投票率3位のシンガポールやオーストラリアでは、投票しないと罰金が課されます。
通常、投票は「国民の権利」ですが、オーストラリアでは18歳以上の「国民の義務」です。また立候補者の権利(参政権)も、18歳からです。
厳しい内容ばかりではありません、オーストラリアでは、投票所でバーベキューやホットドッグの販売が行われるのが恒例で、投票に行くのが楽しみになりそうです。
 こうした取り組みもあって、オーストラリアの投票率は上院・下院ともに、有権者登録をした人の中での投票率は90%を超えるそうです。

 一方、18位のスウェーデンは“12歳から模擬投票“を実施。実際の選挙と同日に、同じ候補者に投票。さらに選挙前には、候補者が学校に演説にくるというのです。ユニークな発想により、若い世代にも政治を意識してもらうことに重点を置いているようです。

 さらにEU や加盟国レベルで、選挙権年齢を 18 歳から 16 歳へ引き下げる動きが本格化しています。
2007 年にオーストリアが、国政選挙および地方選挙において 16 歳選挙権を実現、ドイツ、ノルウェー、スイスでも、特定の州や市町村で引き下げが進められています。
スロバキアでは 16・17 歳の勤労者を対象に付与されてます。
英国でもマン島やジャージー島などの王室属領で認められており、スコットランドでは 2014 年 9 月の英国独立を巡る住民投票において 16 歳が投票権を与えられました。
さらに、アイルランド、デンマーク、スウェーデンにおいても、 16・17 歳への引き下げに向けた検討が行なわれています。

 私は思うに、日本の選挙へ立候補できる年齢25歳の引き下げは、若手の政治家を増やすことになります。
すると投票する人の平均年齢も下がっていき、投票者の多い高齢者偏重の政策が、若い人むけに移行するでしょう。
いまの高齢者偏重の政策は、国力を減退させるのではないかと心配しています。

 そもそも年齢層と性別人口に相応・比例した、それぞれの世代を代表する議員数が必要です。
選挙区の1票の格差を抑えていく事も大切ですが、年齢層と性別人口の1票の格差も抑えるべきです。

 格差解消に向けて、【政治の若年層化】と【政治のデジタル化】を両輪として車を前へ走らせたい。
日本を少しでも元気にしていく為に。

安部元首相のご冥福を心からお祈り申し上げます。

テック産業アナリスト のと裕行でした。 
ありがとうございました。

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