テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-36
ブロックチェーン(blockchain)×通貨テック=リブラ通貨の未来リブラ通貨の運用は大阪・関西万博あたりから?

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2020年10月3日

NTTグループのグローバルチャレンジ

2020年9月30日の日経電子版において、ドコモ完全子会社化、澤田NTT社長が直轄経営と言う記事が掲載されました。

・NTTは29日、NTTドコモを完全子会社化すると発表

・稼ぎ頭のドコモの再統合でグループ一体の運営体制を強化

・携帯料金の引き下げやポスト5Gの覇権争いに切り込む準備が整う

・ドコモの時価総額がピーク時の4分の1となったが、澤田社長は葛藤を乗り越えてグループ再編の決断をした

・NTTは敗れ続けてきた世界戦略に再び挑む

といった内容でした。

そして先月末、テック産業ではこの関連のニュースで持ちきりでした。

記事の通り、2000年ドコモの時価総額が日本一の43兆円とりました。しかし、現在は4分の1の10兆円、2006年にはドコモは4568万人の顧客を抱える世界最大のモバイルネット接続業者としてギネス認定まで受けました。株式の約3割を国が保有。役所より役所という社風。ドコモはNTTグループの中でも最も役所らしいのです。2002年3月期にドコモの営業利益は一兆円を突破しました。

この頃、米国、オランダ、英国で合計2兆円希望の巨額投資が失敗に終わり国内ベンダーとしてしか活躍の場は見出せなかったのです。

また、GoogleがアンドロイドOS によるスマホ進出を打ち明け、iモードとの提携を持ちかけましたがドコモは動かなかったのです。

その後、運命の2007年に米アップルがiPhoneを発表しました。

Googleと組んでスマホに進出するチャンスを逃したドコモはiPhoneについてもソフトバンクの独占販売で5年出遅れました。

巨大NTTグループのライバルは国内ではなく世界のプラットフォーマーがライバルです。

それに備えて、大きな賭け、モバイルを中核に人工知能や量子コンピュータなどの先端技術を取り込みどのようなサービスを生み出せるか。5Gから6G投資開発をどこまで先を越せるか。

国策でNTTとドコモに分割させられた経緯があります。一時的には良かったかもしれませんが、もっと早くに子会社化か合併すべきであったと感じます。

国を背負ってたつ日本企業の代表として世界のベンダーとの戦いに打ち勝って行く。

富士通も旧日本電信電話公社の電電ファミリーの一社として旧公社に厳しく育てていただいたおかげで、今の富士通があると思います。NECも日立も同様ではないでしょうか。

またそれらの御三家の企業群も同じ悩みを抱えていると思います。

これからも日本の通信産業界のリーダーとして、チャレンジングなお手本を見せていただき、日本の産業界を力強く牽引してください。

今回のコラムは、前回に続きFacebookの【リブラ協会】についてお話します。

リブラ通貨の今後をもう少し詳しく

前回のFacebook【リブラ】が好評でしたので、今回は、政治的な背景ではなく一般消費者の立場から【リブラ通貨】の現状経過と未来を補足説明致します。

先ずは【グローバル決裁システム・リブラ】で、ウォレットの開発を担当していたFacebookの子会社「カリブラ」が5月26日、社名変更をしました。

その社名は、ラテン語の「新しい(novus)」と「道(via)」の造語で「ノビ(Novi)」です。

そして、「ノビ」のウォレット機能は、単独のアプリとして起動させ、Facebookグループの「Messenger」や「ワッツアップ」と相互連動し、友人や家族に『メッセージを送るように簡単に』送金が出来ます。もちろん、送金もメールを送るように即座にされます。

手数料は現状オープンになっていませんが、「想定外の手数料は発生しない」とリリースしてますが、銀行の手数料よりかなり安い予定です。

そして、利用者は、政府発行のIDを使って身元確認します。日本であればマイナンバーカードになるでしょう。昨年からこだわっていた、世界で通帳を持てない約10億人を対象にする思いも変わっていません。とはいえ、日本で言う電子マネーの感覚で送金が可能です。

そしてそのマネー管理のテクノロジーが【リブラブロックチェーン】です。

しかしまだ【リブラ通貨】のローンチ(Launch/新しいサービスを始めること)は未定です。

私の予想では、「ワッツアップ」の利用者が多いEUとシンガポールから動き出すのではと思っています。

そして、【リブラ協会】のメンバーは、5月14日時点で27社です。

注目すべきポイントは、シンガポール政府系の投資会社「テマセク(Temasek)」とイギリス・ロンドンに本社を置く「チェックアウト・ドットコム(checkout.com)」がメンバーに加わっていることです。

前回にお伝えした法定通貨のバスケット構造の4社に、「英ポンド」と「シンガポールドル」が入っていたのも納得できます。

ちなみに「チェックアウト・ドットコム」は、国際送金を行うプラットフォームを持っていて、クレジットカード・デビットカード・ペイパル・アップルペイの決済サービスを持っていて、韓国の「サムスングループ」やデリバリーフードサービスの大手「Deliveroo」も利用しています。

また規制当局の圧力軽減でしょうか、初代CEOに、オバマ大統領時代にテロ・金融情報の

財務次官を務めた人物や、元アメリカ政府職員で金融犯罪取締役の担当者も2名採用したり、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)のライセンス取得にも動き出しています。

これは、最悪の状況を想定し、リブラ協会が本店を置くスイスの規制下での展開を考えているのでしょう。さすが用意周到です。

そして今後が楽しみです。

とはいえ現状を見る限りでは、日本でのリリースはまだまだ先に感じますが、大阪府とも包括契約を交わしたFacebookグループです。

実は来年あたりから【リブラブロックチェーン】の活用が始まり、想像でお伝えした【大阪リブラ通貨】という【ステーブルコイン】が『大阪・関西万博』でお目見えするのではないかと、私は予想しています。

テック産業アナリスト のと裕行でした。
ありがとうございました。

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