テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-70
持続可能エネルギー(Sustainable energy)×テクノロジー(Technology)=サステナブル・エネルギーテック(Sustainable-energyTech)②仮想通貨のサステナブル・デベロップメント

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2021年6月12日

仮想通貨のエコ&エネルギー問題

電力の大量消費における【CO2 排出量】の環境問題は、「フィンテック」、金融市場にも大きな影響を及ぼしています。

そしてその中で、今もっとも注目を浴びているのが【仮想通貨(暗号資産)】です。

【仮想通貨】には、「マイニング(採掘)」と呼ばれる通貨を発行するために大量のコンピューターを使った、膨大な計算作業が必要となり、大量の電力を消費します。

とはいえ、通貨によってシステムや方式が違うので、消費量もそれぞれ差が出ています。

その中でも、群を抜いて消費量が大きいのは「ビットコイン」で、年間でポルトガル全体の 2年分、取引1件当たりの時価総額2位の「イーサリアム」の約20倍ともいわれています。

そして、この状況を重く受け止めた業界関係者らがこの4月に集まり、仮想通貨版のパリ協定、温暖化対策の国際枠組みでもあり、暗号資産業界の【100%再生可能エネルギー化】を目指す『暗号資産気候協定(Crypto Climate Accord)』が発足しました。

グリーンな仮想通貨『Chia(チア)』

そんな中、先月3日に取引が開始された電力消費量が少ない【グリーンな仮想通貨】、『Chia(チア)』が話題を呼んでいます。

この『Chia』が、なぜ環境に優しい【グリーンな通貨】なのかというと、新しいコインを発行するための「マイニング(採掘)」の方法が違います。

専門的に説明すると分かりにくいので、私なりに簡略化してご説明すると。

「マイニング」という採掘作業には、大量の電力消費が伴うのですが、『Chia』は、この作業を「ファーミング(農作業)」と呼び、今までの「マイニング」のように専門会社など大掛りな作業でしかできなかった仕組みを、一般の私たちでも、自宅のコンピューターのハードドライブ、またはハードディスクドライブを取り付ければ、誰でも「ファーミング」ができるのです。

もちろん農作業(ファーミング)により、コインを育てることが出来れば、「ファーミング(農業)報酬」が与えられます。

まだまだ目が離せない仮想通貨の動向、しかし・・・。

そして、『Chia Net』では、この作業を将来的にスマホでも出来るように考えています。

つまり、専用の「データセンター」を使うのではなく、個人や企業が持つ使用してない空間と時間のデータの空きスペースを活用した電力消費問題を解消する画期的な取り組みなのです。

しかし現状は、ハードドライブの売り切れや、興味を持った世界中の方々のアクセス量により、「ファーミング」に想像以上の時間が必要なようです。

また、「ビットコイン」のマイニング作業がよく行われる中国では、政府が環境問題などの配慮からマイニング禁止令を出すエリアもあり、社会問題になっています。

また、先日「デジタル人民元」を実験的に配布した中国政府は、この「Chia Network」を活用するのではと噂も出ていて、まだまだ、今後の【仮想通貨】の動向に目が離せません。

しかし、今後の「仮想通貨ブランド」は、【地球環境】と【グローバル経済】の両方に利益をもたらさなければ、サステナブル・デベロップメント(持続可能な開発)は続きません。

テック産業アナリスト のと裕行でした。
ありがとうございました。

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