テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-66
ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)×テクノロジー(Technology)=ピーシーテック(PCTech)①ジェンダー問題をポリティカル・コレクトネスに考える

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2021年5月8日

世界が今、最も向き合わなければならない「ジェンダー問題」

今回は、とてもデリケートな問題を取り上げたいと思います。

それは、森元首相の「女性蔑視発言」でも問題になった【ジェンダー平等】に関するテーマのお話です。

とはいえこの問題は、あまりにも大きく、大切なテーマで、私が一言で表すことなど到底出来ません。ですから、私なりの切り口で、この問題について考えたいと思います。

そして、それが【ポリティカル・コレクトネス(PC/ポリコレ)】です。

皆さんは【ポリティカル・コレクトネス】という言葉をご存知ですか?

簡単に説明すると、政治的に適切で平等な言葉、政策、対策」を表すのですが、特に民族・性別・ジェンダーに定義されるグループを排除したり、疎外したり、侮辱したりするような表現や行動を避け、不快感や不利益を与えないようにするという政治用語です。

そして、今や【ポリティカル・コレクトネス】は、グローバルスタンダードなキーワードですが、日本でもこの考え方は、既に取り組まれ、政治的な見解の元、多くの言葉が、言い換えられています。

例えば、「看護婦を看護師」「保母さんを保育士」「スチュワーデスをキャビンアテンダント」「伝染病を感染症」「痴呆症を認知症」などがこれらに当たります。

つまり【ポリティカル・コレクトネス】は、日常的に使われている言葉の中にある不適切な言葉やニュアンスを正すだけではなく、社会的、政治的問題への意識を意図的に改めることです。

但し、最近では表面的な「言葉狩り」のような事態を引き起こすこともあり注意が必要です。

言葉の扱い方を間違えると間違った方向へ行くことも

先日も、俳優の松山ケンイチさんがあるテレビ番組で、髪が伸びた時のことを聞かれた時に

「自分で切ったり嫁に切ってもらっています」と何気なく答えられたのですが、しかし、このコメントに対し「嫁という言葉はまずかった」「嫁という間違った言葉を広めないで」と批判の声がSNSで炎上したそうです。

確かに「嫁」という言葉は、女性が家に入り家事を肯定する言葉なので、メディアに出て話す以上は政治家同様、責任と配慮が必要ですし、それに松山さんの場合は、悪意はなくこの言葉がジェンダー用語だと単に認識がなかったのだと思いますし、本来ならテレビ局がオンエア前にそれに気づきカットすべき問題だと思います。そして、現実的にはこの件があって、「嫁」という言葉の意味を改めて認識した方も多いはずです。

では私たちは、これらの【ジェンダー問題】を一般常識としてどこで学ぶべきなのでしょうか?とはいえ、この言葉は使っていいですとかダメですとかの問題と同時に、先ずはこの問題の意識を高める必要があると思います。

そうでないと、単に発信者に対しての「言葉狩り」になる可能性があるからです。

ジェンダー問題の対策として「メディアリテラシー教育」の提案

そして、この問題を根本的に考えなおしたいと思い、1つのアイデアが浮かびました。

それが【メディアリテラシー教育】を義務教育に取り入れるという提案です。

【メディアリテラシー】には大きく3つの意味があります。

① 「コンピューターや先端的な情報通信機器を使いこなせる能力を育む」

② 「メディアの情報を鵜呑みにせず、その内容が正しい内容なのかを読み取る」

③ 「メディアの特性や社会的意義を理解し、適切に情報発信する能力を養う」

1つ目は現在、義務教育における「GIGAスクール構想」により、小学生、中学生にコンピューターが配られ使いこなせるようになりますが、2つ目3つ目は、今やインターネット・SNSにより、誰もが情報発信出来る時代ですが、どういう言葉を使うのが正しくて、どうしてこの言葉が差別用語になるのかなど、教育として【ポリティカル・コレクトネス】を、学ぶべきだと私は思うからです。

皆さん、いかがでしょうか?

しかし、それ以上に必要なのは、私たち大人が子どもたち以上に【ジェンダー意識】を素直に受入れ、高めることです。

テック産業アナリスト のと裕行でした。
ありがとうございました。

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