ウクライナ政府×最先端テック=東欧のシリコンバレー「ウクライナ」2
IT 軍による新たなテクノロジーの活用と戦略
テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-91

コラム

コラム90号からの続きです。

Twitterのフォロワー数は
イーロン・マスクさん 約9,562万人
ウクライナ フェドロフ副首相の約30万人
この大勢の観衆の中で、両者間で取引が行われたようです。

2022年2月26日土曜日 21:06
ウクライナの大統領の参謀役である、フェドロフ副首相はイーロン・マスクさんにツイッターで
通信衛星回線の即時利用を要請しました。
以下、そのTwitterと和訳です。

イーロン・マスクさん率いる
スペースX社の衛星通信網『スターリンク』は、世界中どこでもGPS、衛星電話、高速インターネットサービスを
利用できます。高度約340キロ以上の地球低軌道に約1万2000基の通信衛星を自社ロケットで打ち上げ、
10年におよぶ計画の総コストは、設計・製造・打ち上げなど100億ドル(1.25兆円) くらいと言われています。

このtwitterの要請を受け、10時間後にイーロン・マスクさんは、twitterでこう答えました。

2022年2月27日 日曜日7:33
「ウクライナでスターリンクのサービスが開始されました。さらに多くのターミナルが控えています。」

その12分後に、フェドロフ副首相からのお礼がTwitterされました。

2022年2月27日 日曜日7:45
スターリンクサービスのターミナルがウクライナに届きます!
ありがとうイーロン・マスク、ウクライナをサポートしていただいた皆さん、ありがとうございました。

出典:フェドロフ副首相

イーロンマスクさんは、この2月のやりとりの後、Twitter社買収を発表しています。
戦争に絡んで、Twitterがビジネスになると感じたのでしょうか? 

ウクライナが今すぐではないでしょうが、今後10年間でいくらのスターリンクの使用量を支払うのか?
また、この動きを見てNATOのいくつかの国がスターリンクの契約にもしも動くのであれば、
Twitter社の5兆円?という価格も安いのかもしれません。

31歳の若き参謀役の、フェドロフ副首相は、2月26日、Twitterでこう呼びかけました。

「私達はIT軍を作っています」

前回のコラムで書きましたが、ウクライナは「東欧のシリコンバレー」と呼ばれ、
IT技術者のレベルは非常に高いです。この理由は、2014年のロシアのクリミア半島併合時、
ロシアが大規模なサイバー攻撃を実施したのでウクライナはこの時学び、この時からいっそう力を注いで来たのだと思います。

ソフトウェア企業Daxxによりますと、この5年間でウクライナの技術者を養成する年間教育予算は2倍に増えて、2021年にはGDPに占める教育予算の割合は6.6%に達しています。この比率は、ドイツ、オランダ、スウェーデン、ポーランド、ハンガリーなどを上回り、世界的にもかなり高い割合です。
ウクライナ政府による教育投資は、理系高等教育の拡大につながっていて、高校卒業者における大学進学率は75%(約26万2500人)。このうち、STEM(科学・テクノロジー・工学・数学)分野を専攻するのは約13万人と、半数近い学生が理系分野に進学しています。
ウクライナにおけるテック人材育成の取り組みを見れば、大規模な民間サイバー部隊が短期間で組織された背景が見えてきます。
クリミア侵攻が始まった8年前からサイバー攻撃に対する防衛ノウハウを蓄積しており、それに加えて最新の
スペースX社の衛星通信網『スターリンク』のGPS、インターネット電話、高速インターネット等を山の中でも辺ぴな所でも、利用できるようになり、ロシアはサイバー戦略においてあまり成果が挙げられていないと思われます。
今後、ますます、世界中においてテック産業とテック人材育成は経済面だけではなく国のあり方の要となっていくことでしょう。

テック産業アナリスト のと裕行でした。 
ありがとうございました。

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