テック産業アナリスト・のと裕行のライフイノベーションコラム#4
ノット4『未来都市×通貨テック=デジタルトランスフォーメーション都市』

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2020年2月21日

2月18日の日経新聞電子版の記事に、財務省がこの春から羽田、成田、関西、中部など国際空港の6税関で、AI(人工知能)を使った不正な荷物をあぶりだす新システムを導入すると載っていました。いよいよ空港にもテック産業の波がやって来ます。そして、このシステム導入により、覚醒剤や麻薬、拳銃、偽ブランドなど疑いのあるものを、AIが輸入品にかかわる膨大な画像データをもとに、ディープラーニング(深層学習)により判断し、職員が開封して調べるそうです。

また、このAIを使ったシステムは、来年以降は全国の9税関と68支署で航空便や海上貨物を網羅する予定だそうです。

今後、各国の税関は電子商取引(EC)サイトを通じた輸出入情報について共有ルールも整備し、日本は今回のAIにこうした情報も入れて摘発の精度を高め、円滑な人・モノの移動と安全性を両立させるともことです。

私も富士通マレーシア駐在員時代に、旧のクアラルンプール国際空港に

税関のトータルシステムを納めていた事を思いだしました。

今やそのシステムが、かなり進化した形となりました。

このように都市は、次々とテック産業によりトランスフォーメーションしていきます。そこで、今回のコラムは、今話題の「デジタルトランスフォーメーション」について取り上げます。

・「未来都市×通貨テック=デジタルトランスフォーメーション都市」

先ずは、テック産業アナリストの立場から、大阪市さん、大阪府さんにご提案があります。

「大阪都構想なんか止めて、大阪デジタルトランスフォーメーション都市を、創りませんか?」何を突然と思われたかもしれませんが、今回のテーマは未来型都市構想の話です。

大阪では大阪都構想問題がこれからどうなるか問われていますが、私は、大阪府、大阪市を一緒にすることだけにこだわるのではなく、そのためにせっかく税金を使うのなら、もっと未来を見据えた新たな未来型都市構想を考えるべきではないかと考えています。

既に東京都では、2019年11月新たな時代の成長戦略として「東京都デジタルトランスフォーメーション」計画が立ち上がりました。

そして1月8日、トヨタ自動車は、次世代型近未来都市構想「コネクティッド・シティ(つながる都市)」プロジェクトを静岡県裾野市(すそのし)で立ち上げると発表しました。

テック産業の技術革新は、5G、AI、ブロックチェーン、量子コンピューター、ロボットなど、鉄腕アトムのようなアニメの世界が現実の世界に近いてきています。

私は、大阪市、大阪府の行政事業のメリットを市民に押し付けるのではなく、市民のメリットをDXとして構築した方が良くないですか?

テック産業アナリストとしては、そう提案したくなります。

では、デジタルトランスフォーメーション(以降、DXと略します)と言っても理解しにくいので、先ずは前回までのコラムで取り上げて来た通貨テックを切り口にどんな風に変わると楽しいかを考えてみましょう。

例えば、大阪府民全員に「大阪マイナンバーデジタルカード」という総務省が取り組むマイナンバーカードに大阪アレンジを加えた想像のカードを無料配布します。そして、そのカードにはチャージ機能があって、全ての交通機関、提携店舗、公共料金の支払い、税金の支払い、公共施設だけでなく大阪のあらゆる施設、チケットに対応させます。もちろん、ペイペイのようなQR決済も可能です。LINEPAYのように振り込み機能も付加してます。もちろん本人しか使えない顔認証や指紋認証等のシステムも取り入れます。

全てを管理されるのはというのはどうかと、プライバシーや個人情報の考え方もありますが、このIDカードさえあれば全てのサービスする仕組みを大阪市、大阪府の行政が共同管理すれば、都構想というエリアの仕切り問題も、政治的な問題も解消出来るはずです。

そして、通貨という一方向から見た理想論ですが、これこそが未来型都市構想、大阪DX都市ではないでしょうか?

★大阪の街

・DX都市という夢の可能性

DXは、私が勤める富士通も積極的に取り組み4月からは専門の子会社もスタートします。しかし、行政や自治体DXには、まだまだテック産業との間に大きなギャップが存在します。本来、公共サービスこそDXが適しているのですが、特に行政特有の考え方と企業の効率化の考えは相反するものだったりします。つまり既存の業務を簡単にデジタル技術に置き換えるといったものではないのです。しかし、ブロックチェーン技術を取り入れた税金の出納管理やAIの導入による効率化は、時間の問題です。

また、行政、自治体が持つ観光データや教育データ等の活用方法をDX化出来れば、新たなデジタルによる行政サービスが生まれるはずです。これらは理想論で終わらせたくないですね!そして、DXの今後の流れに注目ください。

ちなみに、これから訪れる通貨テック問題も実は、市民レベルでは解決しています。

大阪の道頓堀に訪れる中国観光客たちがアリペイの要望が多ければいつの間にか、決済システムを取り入れています。きっとリブラ通貨も行政側がもしも反対しても利用頻度が多ければ、対応せざるをえません。

今年は、オリンピックです。例えば、中国の方がデジタル人民元を持ってオリンピックに乗り込んできたら、現状のアリペイのようにあっという間に大阪の道頓堀のお店のように普通に使えるようになるはずです。

未来都市はこのような通貨テックのように作られていきます。

そしてだれかのジャッジメントを待つのではなく、先にビジョンを持って進めたものがこのデジタルテクノロジーの戦いにも勝つことでしょう。

そして、国や地方行政は、法改正だけではなく都市創りを本気に考えなければならない時代になったということです。

自分たちで未来は作りたいですよね?未来型都市構想は地域行政、地域住民の協力がなくては成立しないのです。

 次回からのコラムは、DX×テックをテーマにメッセージ出来ればと思っています。

テック産業アナリスト のと裕行でした。
ありがとうございました。

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