2020年8月22日
両親から感じること
今年の夏は、コロナ禍だけではなく、連日猛暑が続き、室内でも熱中症対策を万全にしなくてはいけない状況が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今日は、そんな中、元気で仲良く二人で暮らす両親の話をさせてください。
99歳の父と88歳の母にとって、この夏の暑さは試練です。寝たきりでボケも進んでる父母ともに、空調機のリモコンも、テレビのリモコンも、使い方がわかりません。既にリモコンそのものの機能が理解できないようです。ですから、部屋の温度管理はヘルパーさん、看護師さん、私との連携になります。
ヘルパーさんは、朝昼夜と一日三回入っていただいていますが、三日前のことです、夜のヘルパーさんが来られたとき、父の部屋の空調機がオフになっていて、父の体温が37.4度 になっていました。すぐに訪問看護師さんに連絡を取り、緊急対応をこちらで実施し、ことなきを得たのですが心配は収まりません。家庭用空調機は3ヶ月間くらいノンストップで稼働しており日に日に冷却力が落ちているようにも感じてしまいます。
・父母の部屋、台所の温度管理
・夏季の食事の管理
・水分(お茶、ポカリ、栄養ドリンク、父の好きなノンアルコールビール等)
・入浴の管理
・汗と床ずれの対応
等、四季に対応して決めなければいけないことは山積みです。
しかし、そんな心配もよそに、父母とも自発的治癒力が高いというのか、ストレスが溜まることもなく、心が折れることもなく、今週のコラムのテーマでもある二人は【ウェルビーイング(良好性・幸福・福利)】です。
母の口癖は「何か面白いことないか?」です。母は空調機を必ず消して寝ます。付けていてもコンセントから引き抜きオフにします。殆ど病気はありません。お菓子や甘いものは大好きですが、なんでも食べます。入れ歯が3分の1しかなく、3分の2歯が無い状態で食事をとっています。外出はできなくなりましたが、二階三階にうまく腕力と手摺りを使って登り下りを7〜8回繰り返しています。
父は50年間、中国語の勉強を継続しています。週一度の家庭教師さんのレッスンを楽しみにしています。水分は、1日1人1リットル以上は飲んでいます。
2人共に元気です。少なくともこの30年間、愚痴や不平不満を口ずさんだことはありません。感謝です。
そして、同じくらい感謝しているのは、介護、看護、医師、家庭教師、整体、ケアマネ、美容師、電気屋さん、ご近所の方々の【ウエルビーイングネットワーク(私は幸せネットワークと呼んでいます)】で成り立っていることです。
実体験だからこそ思うのですが、こういった長年地域活動に根差された、介護、医療などのプロフェッショナル地域集団をシステム化して、新たなご近所付き合いというか、地域という同じ形で幼少の頃から培われた、教え合い、助け合う、伝えあうコミュニティーを作れないかと改めて考えています。それこそが私が提唱する【エシカルテック教育】の原点だと感じているからです。
未来のエシカルテック教育
私は近い将来、テクノロジーの進化に伴い開発者側だけでなく、AIやロボットを使う側にも倫理的な教育、【エシカルテック教育】が必要だと考えています。
例えば、AIが人にとってベストな提案をしたとしても、その提案を受けた人間が、もしも悪い判断を下したとしたらどうでしょう・・・。
また、使用者がAIを悪用した場合もメーカーだけの問題でしょうか?
もちろん製作者には、責任が伴います。
しかし、どんなに素晴らしい研究開発も使う側の倫理が伴わなければ、武器や兵器になる可能性があるということを私たちは忘れてはいけません。
それは人類の歴史が証明しています。
そこで私が考える【エシカルテック教育】を『自動車』に置き換えると分かりやすいと思います。『自動車』というテクノロジーは、既に生活に溶け込み運転する人間には、年齢制限やある一定の教育と実地訓練、試験により合格者のみ運転免許証が与えられます。
この【交通安全教育、交通安全協会】のシステムを、将来のAI、ロボティクスが一般化する未来に採用出来ないでしょうか?
私は「つかう側のエシカル教育」のシステムを構築することも「つくる側の責任」だと思っています。作ってお客さまに買って頂いたら終わりという消費の世界は既にありません。
環境配慮も含めSDGs型の未来循環型の時代に移行中です。
そしてこのサステナブルな社会経済と連携した教育は、
・警察的な見地
・行政的な見解
・企業的な見識
・国際的な見所
4方向からテクノロジーを成長させ倫理という権利を形にする【エシカルテック免許システム】の導入が未来に必要だと感じています。
また同時に、現在、社会問題となっている誹謗中傷のツイートなどSNS問題、デジタルタツゥーなど人権、プライバシーに関係する問題、以前コラムで取り上げた際に、5Gアンテナによる人体の影響に関するメールを頂きましたが、それらも含めた人体、医療におけるデジタルとの付き合い方の問題、そして現在、文部科学省が取り組む【エドテック】や小学生の必修科目となった【プログラミング教育】など教育デジタルシステムに関する問題も【エシカルテック教育】として位置付けます。
富士通の時田社長がよく使われる「キーワード」に【ウェルビーイング】という言葉があります。
これはWHOが医の倫理に関するジュネーブ宣言に使われた、個人又はグループの良好性や幸福・福利のような状態をあえて日本語に訳さず、複数の意味を合わせた
【ウェルビーイング】とメッセージしたところから来ています。
私もこのメッセージに同じ想いを込めて、未来の【エシカルテック】が【デジタル・ウェルビーイング】であるように願っています。
テック産業アナリスト のと裕行でした。
ありがとうございました。
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