日本人×ウェルビーイング(Well-being)=日本人の本当の幸せを考える時が来た–1
テック産業アナリスト-のと裕行のライフイノベーションコラム-96

コラム

日本を豊かに、生活を豊かに、心身を豊かに

日本は豊かな国?!

最近、私はこんな風に考えるようになりました。
日本は、豊かな国なのでしょうか?

先ずは、日本人の平均賃金が約 30 年前から上がっていないのをご存じですか?
みなさん、30 年ですよ。ちなみに、2021 年の世界平均賃金ランキングでは OECD(経済協力開発)の発表によると調査対象 35 カ国中、24 位(2020 年は 22 位)でした。
G7(主要先進 7 カ国)の中では下から 2 番目、ちなみに 1 位はルクセンブルク、2 位はアメリカ、3 位はアイスランド、お隣の韓国は 19 位(2020 年は 19 位)で今年更に差が開きました。

平均年収は約 400 万円前後ですが、日本の賃金の現状はもっと問題にすべきです。
ちなみに岸田首相は、昨年の 11 月の「新しい資本主義会議」で、今年度の春闘に向け経済界に対し 3%の賃上げ要請を行いましたが、現段階では思うような結果にはなっていません。

しかし、アメリカやお隣の韓国では、景気低迷と共に企業が先ず取り組むのは、従業員の解雇です。
そういう意味では、日本が唯一誇れるのは失業率で、世界 189 カ国中 169 位とか なりの高水準です。
つまりコロナ禍でも、経済低迷中でも世界に比べると企業の休廃業が少ないということになります。
そう考えると日本は、賃金は上がらないけど雇用は安定していますが、これを喜ぶべきなの かどうか、とにかく日本と世界の賃金格差は広がるばかりです。
ここで、あえて付け加えますが、日本は世界第 3 位の経済大国です。

他にも OECD のデータから日本の現状を紹介すると、
自殺率は、43 カ国中の 8 位(2020 年) と高く、日本の警察庁のデータを参考にすると最も自殺者の多い年代は 50 代、そして 40 代、70 代と続き、男性は女性の 2 倍です。
男女間賃金格差は 70 カ国中の 4 位(2021 年)と高く、日本のジェンダー問題の大きな原因 の一つとして、
世界的に高い賃金格差が考えられます。

そして、ここへ来ての円安。ロシアのウクライナ侵攻による物価の高騰を考える頭が痛いですね。
ここでもう一度、みなさんにお伺いします。 日本は豊かで、ウェルビーイングな国なのでしょうか?

ウェルビーイング(Well-being)とは?

ここ数年で「ウェルビーイング」という考え方がスタンダードになって来ました。特に SDGs における
目標 3【すべての人に健康と福祉を】において、ウェルビーイング(Well-being)と いうキーワードが採用されたことと、企業が新たな働き方のコンセプトとして採用し始め たことが大きいと思います。
ちなみに富士通でも、アフターコロナを見据えたニューノーマ ルにおける働き方のコンセプトとして取り入れられています。

ウェルビーイングを直訳すると「善いあり方」ですが、世界がこの言葉にフォーカスし始めたのは 1947 年に採択され、翌年から定義化された下記の「WHO 憲章」です。
※1948 年の世界保健機関 (WHO) 憲章における定義: 「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、 そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。

(日本 WHO 協会訳)」 “Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
そして、当時ウェルビーイングは「身体だけではなく、精神面・社会面も含めた新たな”健 康”」を意味する単語として用いられましたが概念が進化し、現在ではトータルして【幸福】 のことを表し、心身と社会的な幸福であり、満足した生活を送れている状態、充実した豊か な状態をウェルビーイングと使っています。ちなみにハピネスとは異なり【持続的な幸せ】 がウェルビーイングです。

新たな日本の未来に必要なウェルビーイングな豊かさ

私は、新たな時代、新たな未来に向けて、日本にウェルビーイングという豊かさをビジョン として取り入れるべきだと思っています。 今まで豊かさというと英語でいう「Rich」という表現でしたが、私が考える新たな豊かさは、 ウェルビーイングで経済的に、そして心身も満たされている状態です。
今こそ、政治も経済も家族も人としての生き方も新たな豊かさを追求すべきだと思います。

次回へ続く

テック産業アナリスト のと裕行でした。 
ありがとうございました。

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